ドイツ独特のボドゲ用語①:Absacker(〆のヌルゲー)
ドイツのボドゲ界では、日本にはない独特のボドゲ用語があるようです。
このシリーズでは、知ってるとドイツで「ツウ」なひと扱い?されそうな、ニッチなワードを紹介していきたいと思います。
今日のニッチなボドゲドイツ語
Absacker
読み: アップザッカー
Absackerの意味
Absackerは、「ボドゲ会の〆にやりたい、ゆるく遊べるゲーム」のことを言います。
Absackerとはそもそも「寝酒(nightcap)」、すなわち、寝つきを良くするため、寝る前に飲むお酒のことを意味します。
それから転じて、ボドゲ会もそろそろ終盤かなというところで、名残惜しい気持ちを払拭するために最後にちょこっと遊ぶゲームのことをそう呼ぶようになったようです。
Absackerには、みんなルールを知っていて(知らなくてもルールが単純で)、頭を使わずゆるく遊べるゲームをチョイスします。(さらに言えば、酔っ払ってても楽しく遊べるようなもの。)
私が参考にしたドイツのボドゲ用語解説動画では、
・クレイジーココナッツ
・キレイがキライ
・ゆかいなふくろ
・ウェルカム・トゥ・ザ・ダンジョン
をAbsackerとして挙げていました。
ちなみにゆかいなふくろは、原題も「Absacker」というみたいですね。
ちなみに(私自身はまだ経験が浅いにわかなのですが)、個人的に好きなAbsackerはハンズとSETです。
周りのボドゲの先生方に聞いてみたら、
ニムト、ハゲタカのえじき、ウボンゴ3D(これをAbsackerとして挙げるのは変わってるかもとのこと…)などが出てきました。
いろいろと意見が分かれそうなAbsacker。
みなさんのAbsackerはどのゲームでしょうか?
▼参考動画(※全編ドイツ語です)
https://youtu.be/Sw3WsHGvF9o?list=PLd6xcfT5VQxCSKqpm6nrGWIX-VaLvvfBb
Mein Lieblingsspiel ist...(私の大好きなゲームは… )ボードゲームで使えるドイツ語フレーズ②
この記事では、自己紹介のときに言いたい「私の大好きなゲームは…」というフレーズを学びます。
今回のフレーズ
Mein Lieblingsspiel ist...
読み:マイン リープリングスシュピール イストゥ…
意味:私の大好きなゲームは…です。
英訳:My favorite game is...
Mein Lieblingsspiel ist...の解説
Mein(マイン)はmy、lieblings(リープリングス)はfavorite、Spiel(シュピール)はgame、ist(イストゥ)はisです。
実際に使うときは、ist以下に好きなゲームの名前を入れましょう。
例文
Mein Lieblingsspiel ist “Geister”.
読み:マイン リープリングスシュピール イストゥ “ガイスター”
意味:私の大好きなゲームは「ガイスター」です。
応用編
lieblingsの後ろに名詞を入れると、「大好きな◯◯」という言い回しができるようになります。
例文:Mein Lieblingsspieleautor ist Klaus Teuber.
読み:マイン リープリングスシュピーレアオトァ イストゥ クラウス トイバー
意味:私の大好きなボドゲ作者はクラウス・トイバーです。
※Spieleautor(シュピーレアオトァ)=ボドゲ作者
※ボドゲ作者が女性の場合は、Meine Lieblingsspieleautorin ist... (マイネ シュピーレアオトーリン イストゥ…)となります。
ちなみに、今回の文章ではコンビネーション読みの「ei(アイ)」と「ie(イー)」が使われていますね。
読み方がピンとこない、そもそもコンビネーション読みって?という方は、下記の記事を読んでみてくださいね。
Wer ist dran?(誰の番?)ボードゲームで使えるドイツ語フレーズ①
この記事では、ボドゲでは必ず1回は言うセリフ、「誰の番?(ターン?)」というフレーズを学びます。
今回のフレーズ
Wer ist dran?
読み: ヴェア イストゥ ドゥラン?
意味: 誰の番?
英訳: Who is next?
Wer ist dran?の解説
英語で言うと、Werはwho、istはisにあたります。
※dranに関しては説明するとちょっと長くなるので割愛しますが、ist+dranで「〜の番」という熟語になります。(厳密には、sein動詞(英語で言うbe動詞)+dranです)
なので、例えばWer ist... というフレーズを覚えておくと、Who is...という言い回しができることになるため、「誰が…ですか?」というフレーズに使い回せて便利ですよ!
私の/ 君の番です。というには?
Wer ist dran? 誰の番? と聞くだけではなく、私の番です、だとか、君の番だよ。といいたいこともありますよね。
よって、ここではそれらのフレーズもご紹介したいと思います。
Ich bin dran.
読み: イヒ ビン ドゥラン
意味: 私の番です。
英訳: It's my turn.
<解説>
IchはI、binはamです。
先ほど書いた通り、sein動詞+dranで〜の番、という意味になります。
Du bist dran.
読み: ドゥー ビストゥ ドゥラン
意味: 君の番だよ ※
英訳: It's your turn.
Duはyou、bistはareにあたります。
※なお、これはあくまでも友達に言う時、すなわちタメ口になるので、初対面の人や目上の人に言う時は敬語表現の「Sie sind dran.(ズィー ズィントゥ ドゥラン)」 を使いましょう。
なお、Ich bin...、 Du bist...、Sie sind...についても、「私は/君は/あなたは…です」 という表現に使い回せるので、覚えておくと便利ですよ!
それでは以上、誰の番?編でした。
ボードゲームのドイツ語タイトルによくある「von」の意味
ドイツ語のボードゲームでよく出てくる「von」という単語。
これってどういう意味なのでしょう?
vonのそもそもの意味
vonはフォンと読み、英語で言うとfromやofやbyを意味する前置詞です。
訳としては、「〜から(空間的な意味で)」とか、「〜の」「〜について」「〜(動作主)によって、から」となります。
ボドゲのタイトルとして使われる場合はだいたい「〜の」という意味
カタン(Die Siedler von Catan)でも、vonが出てきますね。これは、カタン「の」開拓者、という意味です。
また、よくvon +(作者名)という表記もありますが、これはこの作者による、といったニュアンスです。
「カタンの開拓者たち(CATAN)」に出てくるドイツ語単語をまとめてみた - ボードゲームで覚えるドイツ語!
カタンのドイツ語版でウィキペディアでは、「Catan - Das Spiel ist ein...(中略)...Brettspiel von Klaus Teuber.」
と書かれているのですが、これを訳すと「カタン - このゲームはクラウス・トイバーによる(=により製作された)ボードゲームです。」となります。
なので、ドイツ語で「そのゲーム(もしくはゲーム名)は〜(人、団体など)によって作られたボードゲームです。」と言いたいときは、シンプルな言い方だと
「Das Spiel(もしくはゲーム名) ist ein Brettspiel von (人、団体). 」
となります。ちょっとウィキペディア風ですが。(笑)
読み方は、「ダス シュピール イストゥ アイン ブレットゥシュピール フォン ...」となります。
「このゲーム」と言いたいときは、「das」を「dieses(ディーゼス)」と言い換えると良いでしょう。
※diesesは英語で言うとthisにあたるものです。形は名詞などによって変化します。
この記事で学べる単語
Das Spiel [ダス シュピール] 遊び、ゲーム
※dasは英語で言うtheにあたるものです。名詞などによって変化します。
Das Brettspiel [ダス ブレットゥシュピール] ボードゲーム
※ein[アイン] は英語で言うaにあたるものです。名詞などによって変化します。
ist [イストゥ] 英語で言うとisにあたるもの。覚えておくと汎用性が高いです。
von [フォン] 〜の、〜から、〜による
なお、製作者が自分の場合は、vonのあとに「mir」、複数の場合は「uns」を入れましょう。
ただ、通じますが前述の通りちょっとwiki風になるので、他の言い回しでも良いかもしれませんね。
そのあたりはまた今度ご紹介したいと思います。
「カタンの開拓者たち(CATAN)」に出てくるドイツ語単語をまとめてみた
ボードゲームの代表格のひとつ、「カタンの開拓者たち」ことカタンに出てくるドイツ語の単語をまとめてみました。
▼これを読めばだいたいのドイツ語が読めるようになるはず!ドイツ語の読み方詳細はこちら
カタンで出てくる単語たち(基本の駒など)
カタン島の地形、および資源について
前提として、地形のカードのことは「sechseckige Landschaftsfelder(ゼクスエッキゲ ラントゥシャフツフェルダー)」、資源カードのことは「Rohstoffkarten(ローシュトフ カアテン)」といいます。
地形カード、文字数がとても多いですが、意味としては「sechseckige=六角形の」「Landschaftsfelder=(ぴったり当てはまる単語が思いつかないのですが)地形、原野地帯、土地」といったところでしょうか。
Rohstoffkartenは「Rohstoff(資源)」「Karten(カードの複数形)」です。
■森林(Wald)と木材(Holtz)
森林は、ドイツ語では森を意味する「Wald(ヴァルトゥ)」と言います。
また、このWaldは木材を生み出しますが、木材は「Holtz(ホルツ)」といいます。
なお、ドイツ語ではこれらについて「Wald(ergibt Holtz)」という説明がされているのですが、ergibt(エアギープトゥ)というのは「生み出す」という意味である「ergeben(エアゲーベン)」という単語の3人称単数です。
資源を生産して…というタイプのゲームにはよく出てくると思うので、覚えておくと良いでしょう。
☆ポイント
・ドイツ語では、Wはヴァ行になります。また、語末のdはドゥではなくトゥになります。
・tzはツ(直前に母音が来た場合はッツ)と読みます。
・ergibt(ergeben)は「生み出す」という意味です。
■牧草地(Weideland)と羊毛(Wolle)
ドイツ語では、eiはセットで「アイ」と読みます。
よって、牧草地(Weideland)は「ヴァイデラントゥ」と発音します。
また、同じ子音が2連続で続くと直前の母音は短く発音されます。
なので羊毛(Wolle)は「ヴォレ」と読みます。
☆ポイント
・eiはセットで「アイ」と読む
・同じ子音が2連続で続いたら直前の母音は短く発音
■耕作地(Ackerland)と小麦(Getreide)
ドイツ語では、「ck」が続くと「ック」という音になります。これは英語でも慣れているでしょうか。
よって、農耕地を意味するAckerlandはアッカーラントゥと読みます。
また、Getreideはゲトゥライデと読みますが、これは意味としては小麦というより「穀物」です。
なお、小麦は「Weizen(ヴァイツェン)」と言います。
☆ポイント
・ckときたら「ック」と読む
・Getreideは本当は穀物という意味。小麦は「Weizen(ヴァイツェン)」※ドイツ語では、Zは「ツァ行」になります。
■丘陵(Hügelland)と土(Lehm)
Üはウーウムラウトといい「ユー」という音になります。
よって、Hügellandはヒューゲルラントゥと読みます。
Lehmはレームと読み、粘土質の土を意味します。
なお、母音のうしろにhが来ている場合は、直前の母音をのばす効果があります。
☆ポイント
・Üはユーと読む。
・母音の後のhは直前の母音をのばす効果がある。
■山脈(Gebirge)と鉱石(Erz)
Gebirgeは山脈という意味で、ゲビアゲと読みます。
rは単独で使う場合(うしろに母音がこない場合)、一部の参考書などではルと読ませていますが、個人的には「ア」と読ませる方が自然に聞こえると思います。
鉱石を意味する「Erz」も同様で、「エアツ」と読みます。
☆ポイント
・rは単独で使う場合は「ア」と読む。
■砂漠(Wüste)
こちらは「ヴュステ」と読みます。
ウーウムラウトはさきほど出てきたので大丈夫ですね。
余談ですが、ドイツ語ではサービスの質が低いという意味で「Servicewüste(サービスの砂漠)」なんていう単語もあります。
街道、開拓地、都市
■街道
Straße(シュトゥラーセ) と言って、道を意味します。複数形だとStraßen。
Stは単語の初めにつくとsが「シュ」という音になります。
また ßはエスツェットという文字で、「サ行」の発音になります。
☆ポイント
・Stから始まる場合、Sは「シュ」という音になる。
・ßはエスツェットという文字で、読み方はサ行。ssに言い換えることも可能。
なお、ssとの使い分けは直前の母音をのばすかのばさないか。ssの場合、直前にくる母音は短く発音する。
■開拓地
Siedlung(ズィードゥルング)と言います。複数ではSiedlungen。
原題にあるSiedlerは「開拓者」、動詞は「siedeln」です。
ドイツ語はS+母音の場合すべてザ行になります。
また、ieがセットで出てくると「イー」とのばす音になります。
☆ポイント
・S+母音でザ行
・ieで「イー」と読む。
■都市
・Stadt(シュタットゥ)と言います。複数では Städte(シュテッテ)。
シュになる理由は前述の街道と同じです。
母音+dtで「ットゥ」となります。
また、äはアーウムラウトといい、「エー」と読みます。
☆ポイント
・母音+dtで「ットゥ」
・äはアーウムラウトという文字で、「エー」と読む。
数値トークン
18枚の、数字が書かれた数値トークンのことは、「Zahlenchips(ツァーレンチップス)」と言います。
読み方は既出のものばかりなので大丈夫そうですね。(chipsは英語読みです。)
Zahlはいわゆる英語で言う「number」で、Zahlenは複数形です。
発展カードとその種類
■発展カード(Entwicklungskarte)
発展カードは、「Entwicklungskarte(エントゥヴィックルングスカアテ)」と言います。複数形になると、語尾にnがつきEntwicklungskartenとなります。
Entwicklung(エントゥヴィックルング)というのは、ドイツ語で「発展」といいます。よく出てきそうなので、長いですが覚えておくと良いでしょう。
■騎士(Ritter)
騎士カードはRitterといい、リッターと読みます。
■進歩(Fortschritt)
進歩カードはFortschrittといい、フォアトゥシュリットゥと読みます。
■街道建設 (Straßenbau)
シュトラーセンバオと読みます。
bauは建設という意味なので、そのままですね。
■収穫(Erfindung、Erfinder)
エアフィンドゥングと読みます。発見、発明という意味です。Erfinderになるとエアフィンダーと読み、「発見者」というニュアンスになります。
■独占(Monopol)
モノポールと読みます。
〜 zum Monopol machen で、〜を独占する、という意味になります。
自分で言うときは、
Ich mache ◯◯ zum Monopol. (私は〜を独占します) となり、
イヒ マッヘ ◯◯ ツム モノポール と読みます。(日常会話だと聞いたことないけど)
■勝利ポイント(Siegpunkte)
勝利ポイントカードはSiegpunkteといい、ズィークプンクテと読みます。
なお、Siegは勝利、Punkteは点数(Punkt)の複数形です。
最長交易路(ロンゲストロード)と最大騎士力(ラージェストアーミー)
このふたつは、「Längste Handelsstraße(レングステ ハンデルスシュトゥラーセ)」「Größte Rittermacht(グレーステ リッターマハトゥ)」といいます。
ただ、英語で言っても通じるし、そっちのほうが言いやすいだろうな…と思います。
☆ポイント
・Öはオーウムラウトといい、オェー(オーの口をしてエーという)とよみます。ただ、難しい場合はエーと発音してください。
・aのうしろにchが来た場合は、chは「ハ(hの後ろにaは入れないで発音する。ため息と同じ。)」と読む。
その他
■サイコロ(Würfel)
ヴュアフェルと読みます。これはボドゲをやるものとして絶対に覚えましょう!
■盗賊(Räuber)
ロイバーと読みます。これも結構使いそう。
☆ポイント
eu、äuがセットになっている場合は、「オイ」と読みます。
直前に子音が来ている場合は、一緒に巻き込んで読みます。
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とりあえず基本ルール(駒など)で出てくる単語でした。
港や細かいルールで出てくる単語は別途追記していく予定です。
まずは読めるようになろう!ドイツ語基本の読み方②読み方のルール
さて、前回の記事ではA〜Z、そしてウムラウト(ü,ä,ö)とエスツェット(ß)の基本的な読み方を紹介しましたが、今回の記事では実際にドイツ語の読み方のルールを紹介します。
▼アルファベット編はこちら。
なお、今回の記事を読むと、意味はわからずとも実際のボドゲのタイトルをばっちり読めるようになりますよ!
基本はローマ字で読む
ドイツ語は、基本的にローマ字読みです。
例えば、英語では Nameは「ネーム」と読みますが、同じ綴りで書くドイツ語では「ナーメ」と読みます。
アクセントのある母音は、直後に子音が一つのときは長く、二つのときは短く発音する
まず前提として、ドイツ語は基本的に一番最初に出てきた母音にアクセントがつきます。(そうじゃないこともありますがここでは割愛します)
その際、その母音の直後に子音が一つのときは長く、二つのときは短く発音します。
たとえば、さきほど出てきた「Name」。アクセントがつく母音は最初に出てきた「a」ですね。
その後ろを見ると、直後の子音はmひとつのみ。よって、aは伸ばし、「ナーメ」と読みます。
一方で、カードゲームの「ニムト」です。ドイツ語だと「nimmt!」と書き、「取る(英語で言うとtakeにあたります)」の3人称単数です。
これはアクセントがくるiの後ろに子音のmが二つ。よって、ニームトではなくニムトという読み方になります。
英語とは異なる読み方をするアルファベットがある
J<ヨット>
これはジャ行ではなく、ヤ行になります。
Japanはジャパンではなくヤーパンとなります。
ボドゲの「酔いどれ猫のブルース」の原題は「Katzenjammer Blues」と言いますが、「jammer」は「ヤマー」という発音になります。
ちなみにドイツ語では二日酔いの表現でよく猫という単語が使われるのですが、Katzenjammerとは二日酔いを意味します。
パッケージは二日酔いという意味でのKatzenjammerと、猫を意味するKatzeをかけた見た目になっているんですね。(Katzeの読み方は後ほど紹介します)
R<エア>
後ろに母音がきたときには英語と同じくラ行なのですが、単独で使われるときには「ア」という音になります。(ルと書かれている参考書もありますが、個人的にはネイティブの発音に近いのは「ア」だと思っています。)
なのでカードを意味する「Karte」という単語は、「カルテ」というよりも「カアテ」というほうが正しいと個人的には感じています。
また発音も、英語のRのように舌を奥に引き込む感じにはせず、どちらかというと喉を使います。
イメージとしては、うがいをするときに少ない水で喉を鳴らすような感じでしょうか。
▼実際にRの発音を聞いてみましょう(1分57秒〜見てください)
Deutsch lernen: Aussprache von R im Deutschen/German pronunciation of R (learn German)
ただ、難しい場合は普通に日本語と同じラ行で話していただいてOKです。
S<エス>
ドイツ語の場合、Sのうしろに母音がつくと全て「ザ行」になります。
例えば「キャプテン・リノ」は原題では「Super Rhino」というのですが、ここの「Super」の部分は「スーパー」ではなく「ズーパー」という発音になります。
ただ、Sのうしろに母音がこない場合や、Sがふたつ並んだ場合には、「サ行」になります。
例えば「バルバロッサ」はBarbarossaと書きますが、最後が「ssa」となっています。
よって、先ほど学んだ<Rは単独で使うと「ア」という発音になる>というルールも適用しつつ読むと、「バアバロッサ」が正しい発音になると言えます。
V<ファオ>
こちらは基本的に「ファ行」となります。(外来語由来などの場合はヴァ行になることもあります)
よくボドゲのタイトルに、「from」や「of」を意味する「von」という単語が出てくるかと思うのですが、これはヴォンではなく「フォン」と読みます。
W<ヴェー>
こちらが、いわゆるヴァ行になります。Vとごっちゃになりがちなので気をつけましょう。
よくボドゲのタイトルやチップに「Wald」という「森」を意味する単語が出てくるのですが、これは「ヴァルトゥ」という読み方になります。
※なお、最後のDは「ド」じゃないの?ということに関してはまたあとで説明します。
Z<ツェット>
ザ行をSにとられてしまった(笑)Zですが、こちらはツァ行になります。
メモ用紙のことを「Zettel」と言うのですが、これは「ツェッテル」という読み方になります。
eiとeuとieの「コンビネーション読み」
ドイツ語では、ある条件が揃うと特殊な読み方をする場合があります。
これを筆者は勝手に「コンビネーション読み」と呼んでいます。
コンビネーション読みその1「ei」
「ei」と書くと、「アイ」という読み方になります。
例えば氷を意味する「Eis」は「アイス」と読みます。
なお、eiの前に子音が来る場合は、その子音も巻き込んで発音するので、
おばけのコマがかわいい「Geister」は「ガイスター」という読み方になります。
コンビネーション読みその2「eu」と「äu」
「eu」もしくは「äu」と書くと、「オイ」という読み方になります。見た目からはまったく「オイ」感が感じられないので、これに関しては結構みなさん読み方を覚えるのに苦労しています。
例えばヨーロッパはドイツ語で「Europa」と書きますが、これは「オイローパ」という発音になります。
なお、eu、äuの前に子音がくる場合はその子音も巻き込んで発音するので、例えば「ハリウッド」のドイツ語原題「Fabrik der Träume」は「ファブリーク デア トロイメ」という読み方になります。(Fabrikは工場・製作所、 Träumeは「夢」の複数形。直訳すると 夢の製作所という意味になります。)
コンビネーション読みその3「ie」
「ie」と書くと「イー」と読みます。
身近な例でいうと、日常でよく「エネルギー」という単語をよく耳にしますよね。英語だとエナジーなのになぜ…?と思いきや、実は「Energie(エネアギー)」というドイツ語です。ここの語末にieが使われていますね。
ボードゲームでいうと、例えば有名な「カタン」。ドイツ語では「Die Siedler von Catan」というのですが、ここまで読んでいる方はもうだいたい読めるでしょうか。
読み方は「ディー ズィードゥラー フォン カタン」です。
Siedlerというのは開拓者、移住者という意味です。(そのまえのdieはディーと読み、英語のtheにあたる複数形の定冠詞ですがここでは割愛)
よって原題は「カタンの開拓者たち」といったところで、日本語とほぼ変化なしですね。
コンビネーション読みその4「au」
これは前述の3つほどは激しい変化はありませんが、「アオ」という発音になります。(まあ上3つに比べると、実際にアウと発音してもそんなに影響はないのですが…)
単語の最初・最後で特別な読み方をするもの
単語の最初に来たり、最後に来たりするとき限定で、特別な読み方をするものがあります。
StとSp
stとspで始まる場合は、それぞれ「s」の部分が「シュ」という音になります。
例えばボドゲ愛好者の皆様の多くが知っているであろう「シュピール」という単語は「Spiel」という綴りになります。(地味にコンビネーション読みの「ie(イー)」も使われています!)
逆に「ガイスター」こと「Geister」は「ガイシュター」ではなく「ガイスター」になります。
ただ、「2つの単語で構成されている単語」であれば、stやspが単語の途中に入っていてもこのルールが適用されます。
例えば、 ドイツ語でボードゲームを意味するBrettspielは「盤」を意味するBrettと「ゲーム」を意味するSpielという単語が合わせて作られた単語なので、読み方は「ブレットシュピール」となります。
語末のer
erが語末に来た場合は、「アー」と読みます。
これは、英語で慣れているかもしれませんね。
なので何回も出てきましたが、「Geister」は「ガイステア」ではなく「ガイスター」となります。
語末のigは「イヒ」!
語末にigがきた場合には、イヒという音になります。
例えばボドゲでよく出てくる単語:「王様」を意味する「König」は「ケーニヒ」という発音になります。
※Öの読み方については冒頭で紹介した前回の記事をご覧ください。
語末のd、g、bは濁音にならない
上の3つが語末にきた場合、dは「トゥ」、gは「ク」、b「プ」という音になります。
1998年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作の「Elfenland」は、ドイツ語読みをすると「エルフェンラントゥ」になります。
ch-は基本的にハ行になる
ドイツ語では、cha,chi,chu,che,choで始まる単語はあまりありません。(chaは外来語ならけっこうありますが。)
その代わり、ch単独で使うことがよくあります。そのとき読み方は「ハ行」になります。
ちょっと複雑な割によく出てくるので、がんばって覚えましょう!
基本的な読み方は「ヒ」
例えば「アルケミスト」こと「Alchemist」。意味は中世の化学者、錬金術師です。
この場合「アル+ヒ+エミスト」で「アルヒェミスト」と読みます。
もっと簡単な例で行くと、中国を意味するChina。チャイナと読みそうになりますが、これは「ヒナ」と読みます。
直前にa,o,uがきたら、読み方がヒ以外になる
a+ch → ハ
例: Bach バッハ (小川という意味)
i+ch → ヒ
例:Richter リヒター (騎士という意味)
これはiなのでいつも通りヒ。
u+ch → フ
例:Buch ブーフ (本という意味)
e+ch → ヒ
例:Recht レヒトゥ (右という意味)
ハ、ヒ、フ…ときたから へ かと思いきやこれもeなのでいつも通りヒ です。
o+ch → ホ
例: Tochter トホター (娘という意味)
chのうしろにsがきたら「クス」と読む
まだまだあります。これはごく少数の単語のみ適用されるのですが、chsという並びになったら「クス」と読み、ハ行要素がゼロになります。
例えばドイツ語で「6」は「sechs」と書きますが、これは「ゼクス」と読みます。
直前に母音が来ていても、後ろにsが来ていたら必ずこのルールが優先されます。
tchとsch
tchという並びになるとチュ、schとなるとシュという読み方になります。
さきほどSpやStから始まるときはSがシュという音になる、という話をしましたが、schは常に、どこに入っていてもシュと読みます。英語で言うshですね。
おばけ屋敷の宝石ハンターというゲームの原題は「Geister, Geister, Schatzsuchmeister」ですが、これを読んでみると「ガイスター
、ガイスター、シャッツズーフマイスター」となります。
tzはツと読む
KatzenjammerやSchatzsuchmeisterでもでてきた「tz」。
これはツと読みます。(直前が母音の場合はッツとなります。)
うしろにeがくる単語も多いですが、その場合は「(ッ)ツェ」という発音になります。
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以上で、ドイツ語のだいたいの読み方を網羅しました。
だいぶ長かったですが、これをすべて覚えればほぼだいたいのドイツ語が読めるようになりますよ!
読み方を忘れてしまったときの備忘録的な役割にもなりますので、ぜひご活用ください。
まずは読めるようになろう!ドイツ語読み方の基本①〜アルファベット編〜
この記事では、ドイツ語の基本の読み方を解説します。
意味がわからなくてもドイツ語が読めるようになれば、今まで曖昧に発音していたボドゲのオリジナルタイトルや役割、カードに書いてあるドイツ語を自信をもって読めるはずです。がんばってマスターしてみましょう。
ßやäの読み方は?ドイツ語のアルファベットは全30種類
英語の場合、アルファベットはA〜Zの全26文字ですが、ドイツ語の場合はそれに加えて4文字増えます。まずはアルファベットを読んでみましょう。
▼まずはA〜Z
文字は同じでも、読み方が英語とは若干違いますね。
特に途中のJ(ヨット)、最後のV(ファオ)、W(ヴェー)、Y(イプシロン)、Z(ツェット)などは、英語とはまったく異なる読み方になるので注意しましょう。
続いてドイツ語特有のあと4文字です。
ドイツ語には、特定の文字の上に 「 ¨ 」 という記号をつける場合があります。
これをウムラウトとよび、ウムラウトには変音させる効果があります。
▼ウムラウトがつく文字
① Ä ä アーウムラウトと言います。実際に発音するときは「エー」となります。
② Ü ü ウーウムラウトと言います。実際に発音するときは「ユー」となります。
③ Ö ö. オーウムラウトと言います。実際に発音するときは「オェー※」となります。
※発音はオーの口をしながらエーと言うイメージです。難しい場合は「エー」と読みましょう。
▼ß(エスツェット)
このβ(ベータ)のような文字は「エスツェット」と読みます。
見た目からはあまり想像ができませんが、音としては「S」で、ssと書き換えることも可能です。(あえてssではなくßで書く場合もありますが、ここでは割愛します。)